- コラム
頂芽優勢とは
頂芽優勢とは頂芽の成長が優先される一方で、側芽の成長が抑制される現象のことを指します。
この頂芽優勢を成り立たせる要素として2つの植物ホルモンが関与して参ります。その植物ホルモンが “オーキシン” と “サイトカイニン” になります。
・オーキシンは
細胞の成長を制御する植物ホルモンであり、植物の成長・細胞分裂・伸長・果実の成熟・枝分かれなど様々な生理作用に影響を及ぼしています。このオーキシンは植物の先端の芽(頂芽)で作られており先端から基部にかけて濃度勾配が発生し、濃度が濃すぎることで成長を阻害し、伸長する方向を決定付けたりと植物を語るためには欠かせないものです。
・サイトカイニンは
細胞分裂を促進する植物ホルモンですが、オーキシンの濃度が高いとサイトカイニンの抑制度合も大きくなり、側芽の成長は小さくなるということになります。オーキシンによって成長が抑制されている側芽の抑制を解除するスイッチのような役割を果たします。
頂芽優勢に関する まとめ
多かれ少なかれ、すべての被子植物にとって共通のこの性質を利用して植栽の管理に利用しております。
動くことができない植物だからこそ例え何らかの理由で成長点の頂芽が切り取られたとしても、今度は側芽が、失われた頂芽に代わって新しい頂芽となり強く成長を始める。その原理を成立させるために動いているのが植物ホルモン“オーキシン”と“サイトカイニン”となるのです。